起業家ニートライター

起業と引きこもりニートを経てライターしてます。企業理念の策定、発信代行などをしています。平成3年生まれ。

起業家と人事。経営者の矛盾する2つの役割

経営者の2つの役割とは?

経営者には2つの役割があると思います。

第一に、顧客へ提供する商品を創り出す起業家的な役割。視点は外(顧客)を向いている。

第二に、人を育て適切な仕事を与える人事的な役割。視点は内(社員)を見ている。


2つの役割は視点が外向きと内向きとで違います。創業者である組織のトップとNo.2が揉める原因はこの視点の違いだったりする。トップはもっと顧客を喜ばせたい。No.2は顧客よりも社員、メンバーを大事にしたい。優先順位が違うので議論が平行線になってしまい折り合いがつかない。


どちらも経営者には必要な資質なのですが、両方を高いレベルで兼ね備えている人は稀です。この目線で人を見てみると必ず視点が外か内かに別れます。両方を持っている人はまだ見たことがない。


そもそもが全く異なる能力です。起業家としての側面を出して行くと、顧客に対して最高の価値を提供したいと思う。そのためどうしてもメンバーの仕事のクオリティには厳しくなります。メンバーから仕事に関して恐れられる存在になると、気軽に悩みを相談できる関係ではなくなってしまう。起業家であることを追求した結果、人事としての役割は死ぬ訳です。逆に人事を追求し過ぎると、目線が顧客よりもメンバーに向くので、企業として顧客に価値を与えることが難しくなって来る。世の経営者はこれをひとりでやらなければならないので大変なのです。


理想は起業家と人事を分担すること
ひとりの人間が起業家と人事、2つの役割をこなすことは無理だと思います。なので理想は、顧客、商品に関する責任者と人事、メンバーに関する責任者を分けること。


創業者である経営者ならば、その人は起業家タイプである可能性が高い。そして人事に苦労していることでしょう。その場合はメンバーから人事の資質を持つ人を人事責任者に抜擢して任せてしまうのが良いと思います。


「任せられる人材なんていないよ。そもそも誰がどちらの素質を持っているか分からないし」

その人の素質が起業家的か人事的か。見分ける方法は簡単です。


会社全体に関して意見を求めた時に、商品の内容や営業方法など顧客に関わる点についてコメントする人は起業家タイプ。社内の教育制度や労働環境、組織のメンバーに目が向いた意見を持っていれば人事タイプです。普段の意識が外内どちらに向いているか?それが分かる質問をすればいい。どちらのタイプかさえ分かれば、あとは才能のある人へ任せるだけです。好きこそものの上手なれで、メキメキその役割を果たしていくはずです。

 

補足

学生が就職活動で企業を見る際の見方としても使えます。情熱に溢れるベンチャー企業の社長を見て魅力を感じた場合、社長だけを見て入社を決めるのではなく、あなたを育ててくれるNo.2的な人事責任者がいるかを確認しましょう。社長のように働きたいと思っても、起業家である社長はあなたより顧客を見ているので、あなたを育ててはくれません。あなたを一人前にしてくれるのは人事的な経営者です。


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起業家と人事のタイプで自分を見ると、僕は人事の側面が強いです。ライターとして素晴らしい商品をつくってそれを世界中に広めることよりも、なんでもいいからとにかく雇用をつくって、誰も実現しようと思わなかった理想の組織をつくることの方がワクワクします。だから才能に従うならば、僕は商品に関して口を出さず、組織の中でひたすら育成と人事に集中する。たぶんそれが僕の最大価値を発揮できる。

ちょうど仕事仲間のK藤が起業家タイプの経営者気質なんですよ。だからお互いに順調に成長すれば最強のコンビになれる。

しかし!

僕はまだ自らが起業家たることを諦めていないのです。自分で商品をつくって組織もつくりたい。起業家と人事を兼ね備えた完璧な人材になりたい。若さと言えば若さですが、まだ25歳なんでね。天から与えられし役割に逆らってでも、自分でやり切ったと思えるところまで挑戦させていただきます。